3連勝はチャンピオンの証!?

F1今昔物語 → アラカルト → 当ページ(2007年2月11日UP)

 これまでの3連勝記録

 これまでの3連勝以上の記録を表に並べてみました。


連勝数名前いつから?いつまで?
9A.アスカリ1952 第3戦 ベルギー1953 第4戦 ベルギー
7M.シューマッハ2004 第7戦 ヨーロッパ2004 第13戦 ハンガリー
6M.シューマッハ2000 第14戦 イタリア2001 第2戦 マレーシア
5J.ブラバム1960 第4戦 オランダ1960 第8戦 ポルトガル
5J.クラーク1965 第3戦 ベルギー1965 第7戦 ドイツ
5N.マンセル1992 第1戦 南アフリカ1992 第5戦 サンマリノ
5M.シューマッハ2004 第1戦 オーストラリア2004 第5戦 スペイン
4J.クラーク1963 第2戦 ベルギー1963 第5戦 イギリス
4J.ブラバム1966 第3戦 フランス1966 第6戦 ドイツ
4J.リント1970 第5戦 オランダ1970 第8戦 ドイツ
4A.セナ1988 第8戦 イギリス1988 第11戦 ベルギー
4A.セナ1991 第1戦 アメリカ1991 第4戦 モナコ
4A.プロスト1993 第7戦 カナダ1993 第10戦 ドイツ
4M.シューマッハ1994 第1戦 ブラジル1994 第4戦 モナコ
4D.ヒル1995 第17戦 オーストラリア1996 第3戦 アルゼンチン
4M.シューマッハ2002 第3戦 ブラジル2002 第6戦 オーストリア
4F.アロンソ2006 第6戦 スペイン2006 第9戦 カナダ
3J-M.ファンジオ1954 第1戦 アルゼンチン1954 第4戦 フランス
3J-M.ファンジオ1954 第6戦 ドイツ1954 第8戦 イタリア
3J-M.ファンジオ1957 第1戦 アルゼンチン1957 第4戦 アルゼンチン
3S.モス1957 第7戦 ペスカラ1958 第1戦 アルゼンチン
3J.クラーク1967 第10戦 アメリカ1968 第1戦 南アフリカ
3Ja.スチュワート1969 第4戦 オランダ1969 第6戦 イギリス
3Ja.スチュワート1971 第5戦 フランス1971 第7戦 ドイツ
3N.ラウダ1975 第5戦 モナコ1975 第7戦 スウェーデン
3N.ラウダ1975 第14戦 アメリカ1976 第2戦 南アフリカ
3A.ジョーンズ1979 第10戦 ドイツ1979 第12戦 オランダ
3A.ジョーンズ1980 第13戦 カナダ1981 第1戦 アメリカ西
3A.プロスト1984 第15戦 ヨーロッパ1985 第1戦 ブラジル
3A.セナ1989 第2戦 サンマリノ1989 第4戦 メキシコ
3A.プロスト1990 第6戦 メキシコ1990 第8戦 イギリス
3N.マンセル1991 第7戦 フランス1991 第9戦 ドイツ
3N.マンセル1992 第8戦 フランス1992 第10戦 ドイツ
3D.ヒル1993 第11戦 ハンガリー1993 第13戦 イタリア
3D.ヒル1994 第11戦 ベルギー1994 第13戦 ポルトガル
3M.シューマッハ1995 第14戦 ヨーロッパ1995 第16戦 日本
3M.ハッキネン1997 第17戦 ヨーロッパ1998 第2戦 ブラジル
3M.シューマッハ1998 第7戦 カナダ1998 第9戦 イギリス
3M.シューマッハ2000 第1戦 オーストラリア2000 第3戦 サンマリノ
3M.シューマッハ2002 第10戦 イギリス2002 第12戦 ドイツ
3M.シューマッハ2003 第4戦 サンマリノ2003 第6戦 オーストリア
3F.アロンソ2005 第2戦 マレーシア2005 第4戦 サンマリノ
3M.シューマッハ2006 第10戦 アメリカ2006 第12戦 ドイツ

 赤字は連勝があったシーズンにタイトルに輝いた例です。'50年代のインディ500をF1に数えていません。F1に数える場合、若干連勝が短くなったり、連勝でなくなったりします。有名なのが、A.アスカリの9連勝が7連勝になる例です。
 いずれにしても、3連勝以上するとなると錚々たるメンバーが並びます。名前の挙がっている16人中、S.モスを除いて皆チャンピオンなのです!

 寸評

 表には16人の名前があります。気がついた点、注意点を箇条書きします。
  • シーズン中に4連勝以上すると、さすがにその年のタイトルが約束されます。開幕から3連勝以上した場合も同じです。
  • シーズンを跨いだ連勝について
    M.シューマッハの6連勝は、2000年4連勝、2001年2連勝。いずれの年もタイトルに輝きました。
    D.ヒルの4連勝は、1995年1勝、1996年3連勝。'96年はタイトルに輝きました。
    S.モス唯一の3連勝は、観てわかるとおり、1957年2連勝、1958年開幕戦優勝というものです。よって彼にはシーズン中の3連勝がないことになります。このことが彼の無冠の帝王たる所以なのでしょうか…。
    その下のJ.クラークの3連勝は、彼の死によって途絶えたものです。
    N.ラウダ2度目の3連勝は、タイトルと関係がないので黒字です。
    A.プロスト最初の3連勝は、1985年に連勝したわけではないので、黒字にしました。
    M.ハッキネンの3連勝は、'98年に2連勝なので赤字です。
  • シーズンを跨いでいるS.モス以外は、皆タイトルホルダー(=チャンピオンになったことがある者)です。ということは、"シーズン中に3連勝した者は皆タイトルホルダー"ということが、今のところ言えます。'93年'94年D.ヒルのように、その年はなれなくても後にチャンピオン、という例も含めてです。
  • チャンピオンでこのなかに名前がないのは、G.ファリーナ、M.ホーソーン、P.ヒル、G.ヒル、J.サーティース、D.ハルム、E.フィッティパルディ、J.ハント、Ma.アンドレッティ、J.シェクター、N.ピケ、K.ロズベルグ、J.ヴィルヌーヴの13人です。G.ヒルとE.フィッティパルディ、N.ピケの3人を除いて、一度きりのチャンピオンです。
  • 逆に、表のなかで一度きりのチャンピオンは、15人中、J.リント、A.ジョーンズ、M.マンセル、D.ヒルの4人です。よって表中の複数回チャンピオンは15-4=11人です。
  • これらの関係を集合の図に表しました。3連勝できるかできないかは、チャンピオンになるかどうかの分かれ道であるよりも、複数回のチャンピオンになるかどうかの分かれ道と言えそうです。
  • 今のところ、現役で3連勝以上しているのは、F.アロンソのみです。

 補足 ― 2連勝記録

 赤字は、3連勝がなく、タイトルホルダーでもないドライバー(現役を除く)です。もう一つ勝利が続いていたら、きっとチャンピオンになったに違いない、と当てのない空想が働くケースもあります。

連勝数名前いつから?いつまで?
2J-M.ファンジオ1950 第5戦 ベルギー1950 第6戦 フランス
2A.アスカリ1951 第6戦 ドイツ1951 第7戦 イタリア
2A.アスカリ1953 第3戦 オランダ1953 第4戦 ベルギー
2J-M.ファンジオ1953 第9戦 イタリア1954 第1戦 アルゼンチン
2J-M.ファンジオ1954 第3戦 ベルギー1954 第4戦 フランス
2J-M.ファンジオ1955 第4戦 ベルギー1955 第5戦 オランダ
2J-M.ファンジオ1955 第7戦 イタリア1956 第1戦 アルゼンチン
2P.コリンズ1956 第4戦 ベルギー1956 第5戦 フランス
2J-M.ファンジオ1956 第6戦 イギリス1956 第7戦 ドイツ
2J-M.ファンジオ1957 第1戦 アルゼンチン1957 第2戦 モナコ
2S.モス1959 第7戦 ポルトガル1959 第8戦 イタリア
2B.マクラーレン1959 第9戦 アメリカ1960 第1戦 アルゼンチン
2S.モス1960 第10戦 アメリカ1961 第1戦 モナコ
2G.ヒル1962 第6戦 ドイツ1962 第7戦 イタリア
2G.ヒル1962 第9戦 南アフリカ1963 第1戦 モナコ
2J.クラーク1963 第9戦 メキシコ1963 第10戦 南アフリカ
2J.クラーク1964 第2戦 オランダ1964 第3戦 ベルギー
2G.ヒル1968 第2戦 スペイン1968 第3戦 モナコ
2D.ハルム1968 第9戦 イタリア1968 第10戦 カナダ
2Ja.スチュワート1969 第1戦 南アフリカ1969 第2戦 スペイン
2Ja.スチュワート1971 第2戦 スペイン1971 第3戦 モナコ
2Ja.スチュワート1972 第11戦 カナダ1972 第12戦 アメリカ
2E.フィッティパルディ1972 第9戦 オーストリア1972 第10戦 イタリア
2Ja.スチュワート1973 第10戦 オランダ1973 第11戦 ドイツ
2R.ピーターソン1973 第12戦 オーストリア1973 第13戦 イタリア
2E.フィッティパルディ1973 第1戦 アルゼンチン1973 第2戦 ブラジル
2Ja.スチュワート1973 第5戦 ベルギー1973 第6戦 モナコ
2J.ハント1976 第14戦 カナダ1976 第15戦 アメリカ東
2N.ラウダ1976 第5戦 ベルギー1976 第6戦 モナコ
2Ma.アンドレッティ1977 第4戦 アメリカ西1977 第5戦 スペイン
2Ma.アンドレッティ1978 第6戦 ベルギー1978 第7戦 スペイン
2J.ラフィー1979 第1戦 アルゼンチン1979 第2戦 ブラジル
2G.ヴィルヌーヴ1979 第3戦 南アフリカ1979 第4戦 アメリカ西
2J.シェクター1979 第6戦 ベルギー1979 第7戦 モナコ
2N.ピケ1980 第11戦 オランダ1980 第12戦 イタリア
2R.アルヌー1980 第2戦 ブラジル1980 第3戦 南アフリカ
2A.ジョーンズ1980 第7戦 フランス1980 第8戦 イギリス
2A.プロスト1981 第12戦 オランダ1981 第13戦 イタリア
2N.ピケ1981 第3戦 アルゼンチン1981 第4戦 サンマリノ
2G.ヴィルヌーヴ1981 第6戦 モナコ1981 第7戦 スペイン
2A.プロスト1982 第1戦 南アフリカ1982 第2戦 ブラジル
2N.ピケ1983 第13戦 イタリア1983 第14戦 ヨーロッパ
2N.ピケ1984 第7戦 カナダ1984 第8戦 アメリカ東
2N.マンセル1985 第14戦 ヨーロッパ1985 第15戦 南アフリカ
2N.ピケ1986 第10戦 ドイツ1986 第11戦 ハンガリー
2A.プロスト1986 第16戦 オーストラリア1987 第1戦 ブラジル
2A.プロスト1986 第3戦 サンマリノ1986 第4戦 モナコ
2N.マンセル1986 第5戦 ベルギー1986 第6戦 カナダ
2N.マンセル1986 第8戦 フランス1986 第9戦 イギリス
2N.マンセル1987 第13戦 スペイン1987 第14戦 メキシコ
2G.ベルガー1987 第15戦 日本1987 第16戦 オーストラリア
2A.セナ1987 第4戦 モナコ1987 第5戦 アメリカ東
2N.マンセル1987 第6戦 フランス1987 第7戦 イギリス
2N.ピケ1987 第8戦 ドイツ1987 第9戦 ハンガリー
2A.プロスト1988 第13戦 ポルトガル1988 第14戦 スペイン
2A.プロスト1988 第3戦 モナコ1988 第4戦 メキシコ
2A.セナ1988 第5戦 カナダ1988 第6戦 アメリカ東
2A.プロスト1989 第7戦 フランス1989 第8戦 イギリス
2A.セナ1990 第11戦 ベルギー1990 第12戦 イタリア
2N.ピケ1990 第15戦 日本1990 第16戦 オーストラリア
2A.セナ1990 第4戦 モナコ1990 第5戦 カナダ
2A.セナ1991 第10戦 ハンガリー1991 第11戦 ベルギー
2A.セナ1993 第15戦 日本1993 第16戦 オーストラリア
2A.セナ1993 第2戦 ブラジル1993 第3戦 ヨーロッパ
2A.プロスト1993 第4戦 サンマリノ1993 第5戦 スペイン
2M.シューマッハ1994 第6戦 カナダ1994 第7戦 フランス
2D.ヒル1995 第2戦 アルゼンチン1995 第3戦 サンマリノ
2M.シューマッハ1995 第4戦 スペイン1995 第5戦 モナコ
2M.シューマッハ1996 第13戦 ベルギー1996 第14戦 イタリア
2D.ヒル1996 第8戦 カナダ1996 第9戦 フランス
2J.ヴィルヌーヴ1997 第14戦 オーストリア1997 第15戦 ルクセンブルク
2J.ヴィルヌーヴ1997 第2戦 ブラジル1997 第3戦 アルゼンチン
2M.シューマッハ1997 第7戦 カナダ1997 第8戦 フランス
2M.ハッキネン1998 第10戦 オーストリア1998 第11戦 ドイツ
2M.ハッキネン1998 第15戦 ルクセンブルク1998 第16戦 日本
2M.ハッキネン1998 第5戦 スペイン1998 第6戦 モナコ
2M.シューマッハ1999 第3戦 サンマリノ1999 第4戦 モナコ
2M.ハッキネン1999 第5戦 スペイン1999 第6戦 カナダ
2E.アーバイン1999 第9戦 オーストリア1999 第10戦 ドイツ
2M.ハッキネン2000 第12戦 ハンガリー2000 第13戦 ベルギー
2M.シューマッハ2001 第13戦 ハンガリー2001 第14戦 ベルギー
2M.シューマッハ2001 第17戦 日本2002 第1戦 オーストラリア
2M.シューマッハ2001 第9戦 ヨーロッパ2001 第10戦 フランス
2R.バリチェロ2002 第15戦 イタリア2002 第16戦 アメリカ
2M.シューマッハ2003 第14戦 イタリア2003 第15戦 アメリカ
2R.シューマッハ2003 第9戦 ヨーロッパ2003 第10戦 フランス
2R.バリチェロ2004 第15戦 イタリア2004 第16戦 中国
2K.ライコネン2005 第13戦 ハンガリー2005 第14戦 トルコ
2F.アロンソ2005 第19戦 中国2006 第1戦 バーレーン
2K.ライコネン2005 第5戦 スペイン2005 第6戦 モナコ
2M.シューマッハ2006 第15戦 イタリア2006 第16戦 中国
2M.シューマッハ2006 第4戦 サンマリノ2006 第5戦 ヨーロッパ

 生涯2連勝どまりのチャンピオンは、前述した13人のなかでG.ヒル、D.ハルム、E.フィッティパルディ、J.ハント、Ma.アンドレッティ、J.シェクター、N.ピケ、J.ヴィルヌーヴの8人です。
 ですから、G.ファリーナ、M.ホーソーン、P.ヒル、J.サーティース、K.ロズベルグの5人は、生涯連勝なしのチャンピオンということになります。開催数が7〜10戦だった'50年代'60年代の者ら4人に混じっている、'82年チャンピオンのK.ロズベルグの存在が際立ちます。
 ここまで来ると、連勝なしで最多勝のドライバーは誰かという疑問も湧いてきます。これは、D.クルサード13勝、C.ロイテマン12勝、J.イクス8勝、J-P.モントーヤ7勝という非タイトルホルダーになります。しかしながら、いずれもタイトルにあと一歩二歩というところまで行ったことがあります。やはり、連勝してライバルを突き放す力がないと、タイトルは難しいのでしょうか。
 でも、2連勝してもタイトルに一歩届かずという例も、上の赤字に示しました。ところが、連勝せずにチャンピオンという者も挙げたばかりですし、何がなんだかわからなくなってきました。

 まとめ

 いずれにしても、F1において3連勝できるかできないかと、チャンピオンになれるかどうかには、何か深い関係がありそうな結果になりました。訪問者の皆さんが"これぞチャンピオンの器"と見込む現役ドライバーは、今後3連勝するでしょうか? そしてその後は!? 楽しみですね!




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