モンツァとモンテカルロのPPタイムの変遷 〜眼で観てわかる技術革新の軌跡〜

F1今昔物語 → アラカルト → 当ページ(2008年1月27日アップ)

 前置き
 You Tube などで昔のF1の映像を見ていると、今のF1より遅く感じられたりします。"今のF1ってどのくらい速いんだろう。どのような軌跡を描いて、今のように速くなったんだろう…"と疑問が湧いてきました。
 そこで、モンツァモンテカルロのPPタイムとその平均速度の変遷を、グラフにしてみました。
 両サーキットとも、ほぼ始めから現在までF1の舞台であり続け、さらに上手い具合に超高速・超低速というふうに両極端な性格分けすることができます。
 このグラフには、ルール改定やコース改修といった障害に負けずに、F1がどんどん速くなっていく過程が描き出されています。
 いつの時代でも、ドライバーが限界ギリギリの状態で真剣に走っていることが確かな場合、このグラフには、マシン側の技術革新の軌跡が、同じくらい確かに表現されているに違いありません。
 コースの性格上、モンツァには直線性能、モンテカルロには旋回性能についての軌跡が、色濃く現われていると言えます。

 コース改修によって1周の長さが何度か変化しているので、線を色分けしました(PPタイムのみ)。基本的に、PPタイムと平均時速の線は逆の動きをします(タイムが縮められる=速度が上がる)。
 情けない話なんですけど、管理人は、予選時の天気まで調べることができませんでした。雨の影響で前年よりタイムが落ちている、という場合もあるかもしれません。

 モンツァ Autodromo Nazionale di Monza

年次周回距離ポールシッタータイム(分:秒)平均時速勝者タイム(時:分:秒)FLタイム(分:秒)
19506.300kmJ-M.ファンジオ01:58.300191.72G.ファリーナ2:51:17J-M.ファンジオ02:00.000
19516.300kmJ-M.ファンジオ01:52.300201.96A.アスカリ2:42:39G.ファリーナ01:56.500
19526.300kmA.アスカリ02:05.700180.43A.アスカリ2:50:46A.アスカリ / F.ゴンザレス02:06.100
19536.300kmA.アスカリ02:02.700184.84J-M.ファンジオ2:49:46J-M.ファンジオ02:04.500
19546.300kmJ-M.ファンジオ01:59.000190.59J-M.ファンジオ2:47:48F.ゴンザレス02:00.800
195510.000kmJ-M.ファンジオ02:46.500216.22J-M.ファンジオ2:25:04S.モス02:46.900
195610.000kmJ-M.ファンジオ02:42.600221.40S.モス2:23:41S.モス02:45.500
19575.750kmS.ルイス・エバンス01:42.400202.15S.モス2:35:04T.ブルックス01:43.700
19585.750kmS.モス01:40.500205.97T.ブルックス2:03:48P.ヒル01:42.900
19595.750kmS.モス01:39.700207.62S.モス2:04:05P.ヒル01:40.400
196010.000kmP.ヒル02:41.400223.05P.ヒル2:21:09P.ヒル02:43.600
196110.000kmW.フォン・トリップス02:46.300219.11P.ヒル2:03:13G.バゲッティ02:48.400
19625.750kmJ.クラーク01:40.350206.28G.ヒル2:29:08G.ヒル01:42.300
19635.750kmJ.サーティース01:37.300212.74J.クラーク2:24:20J.クラーク01:38.900
19645.750kmJ.サーティース01:37.400212.53J.サーティース2:10:52J.サーティース01:38.800
19655.750kmJ.クラーク01:35.900215.85Ja.スチュワート2:04:53J.クラーク01:36.400
19665.750kmM.パークス01:31.300226.73L.スカルフィオッティ1:47:15L.スカルフィオッティ01:32.400
19675.750kmJ.クラーク01:28.500233.90J.サーティース1:43:45J.クラーク01:28.500
19685.750kmJ.サーティース01:26.070240.50D.ハルム1:40:15J.オリバー01:26.500
19695.750kmJ.リント01:25.480242.16Ja.スチュワート1:39:11J-P.ベルトワーズ01:25.200
19705.750kmJ.イクス01:24.140246.02C.レガッツォーニ1:39:07C.レガッツォーニ01:25.200
19715.750kmC.エイモン01:22.400251.21P.ゲシン1:18:13H.ペスカローロ01:23.800
19725.775kmJ.イクス01:35.650217.35E.フィッティパルディ1:29:58J.イクス01:36.300
19735.775kmR.ペテルソン01:34.800219.30R.ペテルソン1:29:17Ja.スチュワート01:35.300
19745.780kmN.ラウダ01:33.160223.36Rペテルソン1:22:57C.パーチェ01:34.200
19755.780kmN.ラウダ01:32.240225.59C.レガッツォーニ1:22:43C.レガッツォーニ01:33.100
19765.800kmJ.ラフィー01:41.350206.02Rペテルソン1:30:36R.ペテルソン01:41.300
19775.800kmJ.ハント01:38.080212.89Ma.アンドレッティ1:27:50Ma.アンドレッティ01:39.100
19785.800kmMa.アンドレッティ01:37.520214.11N.ラウダ1:07:05Ma.アンドレッティ01:38.230
19795.800kmJ-P.ジャブイユ01:34.580220.77J.シェクター1:22:00C.レガッツォーニ01:35.600
1980
19815.800kmR.アルヌー01:33.467223.39A.プロスト1:26:34C.ロイテマン01:37.528
19825.800kmMa.アンドレッティ01:28.473236.00R.アルヌー1:22:26R.アルヌー01:33.619
19835.800kmR.パトレーゼ01:29.122234.29N.ピケ1:23:11N.ピケ01:34.431
19845.800kmN.ピケ01:26.584241.15N.ラウダ1:20:29N.ラウダ01:31.912
19855.800kmA.セナ01:25.084245.40A.プロスト1:17:59N.マンセル01:28.283
19865.800kmT.ファビ01:24.078248.34N.ピケ1:17:43T.ファビ01:28.099
19875.800kmN.ピケ01:23.460250.18N.ピケ1:14:48A.セナ01:26.796
19885.800kmA.セナ01:25.974242.86G.ベルガー1:17:40M.アルボレート01:29.070
19895.800kmA.セナ01:23.720249.40A.プロスト1:19:28A.プロスト01:28.107
19905.800kmA.セナ01:22.533252.99A.セナ1:17:58A.セナ01:26.254
19915.800kmA.セナ01:21.114257.42N.マンセル1:17:54A.セナ01:26.061
19925.800kmN.マンセル01:22.221253.95A.セナ1:18:15N.マンセル01:26.119
19935.800kmA.プロスト01:21.179257.21D.ヒル1:17:08D.ヒル01:23.575
19945.800kmJ.アレジ01:23.844249.03D.ヒル1:18:03D.ヒル01:25.930
19955.770kmD.クルサード01:24.462245.93J.ハーバート1:18:28G.ベルガー01:26.419
19965.770kmD.ヒル01:24.204246.69M.シューマッハ1:17:44M.シューマッハ01:26.110
19975.770kmJ.アレジ01:22.990250.30D.クルサード1:17:05M.ハッキネン01:24.808
19985.770kmM.シューマッハ01:25.289243.55M.シューマッハ1:17:10M.ハッキネン01:25.139
19995.770kmM.ハッキネン01:22.432251.99H-H.フレンツェン1:17:03R.シューマッハ01:25.579
20005.793kmM.シューマッハ01:23.770248.95M.シューマッハ1:27:32M.ハッキネン01:25.595
20015.793kmJ-P.モントーヤ01:22.216253.66J-P.モントーヤ1:16:58R.シューマッハ01:25.073
20025.793kmJ-P.モントーヤ01:20.264259.83R.バリチェロ1:16:20R.バリチェロ01:23.657
20035.793kmM.シューマッハ01:20.963257.58M.シューマッハ1:14:20M.シューマッハ01:21.832
20045.793kmR.バリチェロ01:20.089260.40R.バリチェロ1:15:18R.バリチェロ01:21.046
20055.793kmJ-P.モントーヤ01:21.054257.30J-P.モントーヤ1:14:29K.ライコネン01:21.504
20065.793kmK.ライコネン01:21.484255.94M.シューマッハ1:14:52K.ライコネン01:22.559
20075.793kmF.アロンソ01:21.997254.34F.アロンソ1:18:38F.アロンソ01:22.871

モンツァのPPタイムおよび平均時速の変遷
■ 6.3km時代(ベージュ)
 モンツァでは1950年の初年度からF1が開催されました。1952、1953年のF2規定時は速度が落ち、タイムも悪くなっています。
■ 10km時代(黄色)
 1955年、PPタイムに重大な影響を及ぼすコースの改修がありました。バンクのついたオーバル部分の使用です。サーキットを2周するようなレイアウトになり、周回距離が伸びて、タイムが大幅に増えました。一方、平均速度は向上しています。
■ 5.75km時代(黄緑)
 1957年、オーバル部分が危険だということで、以前のレイアウトに戻りました。イギリス車が強かった時代です。コースの短さとも相まって、ベージュのときよりも大幅にタイムが短縮されました。
■ 10km時代(黄色)
 1960年、再びオーバル部分が用いられました。パワー重視の高速コースでは、フロントエンジン搭載のフェラーリに軍配が上がりました。翌1961年、時代はすっかりミッドシップ車一色になりましたが、タイムは落ちました。PPのトリップス伯爵は翌日に事故で死亡しました。
■ 5.75km時代(黄緑)
 1962年、再び元のレイアウトに戻りました。排気量が1.5リッターの時代です。でも、以前の排気量のときのタイムに負けていません。
 このレイアウトは1971年まで続きました。1966年に排気量が3リッターになると、タイムがグングン縮められました。この時代の角度が最も鋭く見えます。スリップストリームの応酬合戦が展開され、数多くの名戦(特に'69、'71年)が生まれました。
■ 5.775〜5.780km時代(ピンク、赤色)
 1972年にシケインが設けられました。周回距離にはさほど変化がありませんが、コースの攻略方法が激変しました。スリップストリームの応酬合戦は、見られなくなりました。よってタイムが落ちています。速度も大幅に落ちています。
■ 5.80km時代(薄緑)
 1976年、さらなる改修が行なわれました。前年よりタイムが落ちているのは、この改修の影響かと思われます。1980年はF1が開催されませんでした。
 このレイアウトは1994年まで続きました。その間、ウイングカーやターボエンジンといった新機軸が打ち出され、ここでもタイムがグングン縮められました。'81→'82年では5秒速くなっています(42歳のMa.アンドレッティによって)。しかし、'83年、'88年は前年よりタイムが落ちています。'83年はフラットボトム規定、'88年はターボエンジンの規制があり、その影響かと思われます。
 完全NA化になった'89年、A.セナは前年のタイムを縮めました。以降、ターボ時代を上回るペースが続きました。
 1991年、ついにA.セナがシケインのない時代を上回るタイムを記録しました。しかし、'94年に彼が亡くなって、ハイテクが禁止されると、またタイムが落ちました。
■ 5.770〜5.793時代(青、紫)
 横ばいが数年続いたのち、1998年にタイムが落ちました。この年からタイヤに溝ができ、グリップ力が減ったことの影響かと思われます。
 その後、専門家同士でしか話しが通じないような、細部の空力を高める時代が訪れました。グングンというほどではありませんが、タイムが縮められました。2004年予選1回目のJ-P.モントーヤの 01:19.525 が、モンツァのコースレコードとなっています。

 モンテカルロ Monte Carlo

年次周回距離ポールシッタータイム(分:秒)平均時速勝者タイム(時:分:秒)FLタイム(分:秒)
19503.180kmJ-M.ファンジオ01:50.200103.88J-M.ファンジオ3:13:19J-M.ファンジオ01:51.000
1951
1952
1953
1954
19553.145kmJ-M.ファンジオ01:41.100111.99M.トランティニャン2:58:10J-M.ファンジオ01:42.400
19563.145kmJ-M.ファンジオ01:44.000108.87S.モス3:00:33J-M.ファンジオ01:44.400
19573.145kmJ-M.ファンジオ01:42.700110.24J-M.ファンジオ3:10:13J-M.ファンジオ01:45.600
19583.145kmT.ブルックス01:39.800113.45M.トランティニャン2:52:28M.ホーソーン01:40.600
19593.145kmS.モス01:39.600113.67J.ブラバム2:55:51J.ブラバム01:40.400
19603.145kmS.モス01:36.300117.57S.モス2:53:46B.マクラーレン01:36.200
19613.145kmS.モス01:39.100114.25S.モス2:45:50R.ギンサー / S.モス01:36.300
19623.145kmJ.クラーク01:35.400118.68B.マクラーレン2:46:30J.クラーク01:35.500
19633.145kmJ.クラーク01:34.300120.06G.ヒル2:41:50J.サーティース01:34.500
19643.145kmJ.クラーク01:34.000120.06G.ヒル2:41:19G.ヒル01:33.900
19653.145kmG.ヒル01:32.500122.40G.ヒル2:37:40G.ヒル01:31.700
19663.145kmJ.クラーク01:29.900125.94Ja.スチュワート2:33:10L.バンディーニ01:29.800
19673.145kmJ.ブラバム01:27.600129.25D.ハルム2:34:34J.クラーク01:29.500
19683.145kmG.ヒル01:28.200128.37G.ヒル2:00:32D.アトウッド01:28.100
19693.145kmJa.スチュワート01:24.600133.83G.ヒル1:56:59Ja.スチュワート01:25.100
19703.145kmJa.スチュワート01:24.000134.79J.リント1:54:37J.リント01:23.200
19713.145kmJa.スチュワート01:23.200136.08Ja.スチュワート1:52:21Ja.スチュワート01:22.200
19723.145kmE.フィッティパルディ01:21.400139.09J-P.ベルトワーズ2:26:55J-P.ベルトワーズ01:40.000
19733.278kmJa.スチュワート01:27.500134.87Ja.スチュワート1:57:44E.フィッティパルディ01:28.100
19743.278kmN.ラウダ01:26.300136.74R.ペテルソン1:58:04R.ペテルソン01:27.900
19753.278kmN.ラウダ01:26.400136.58N.ラウダ2:01:21P.ドゥパイエ01:28.670
19763.312kmN.ラウダ01:29.650133.00N.ラウダ1:59:51C.レガッツォーニ01:30.280
19773.312kmJ.ワトソン01:29.860132.69J.シェクター1:57:53J.シェクター01:31.070
19783.312kmC.ロイテマン01:28.340134.97P.ドゥパイエ1:55:15N.ラウダ01:28.650
19793.312kmJ.シェクター01:26.450137.92J.シェクター1:55:22P.ドゥパイエ01:28.820
19803.312kmD.ピローニ01:24.813140.58C.ロイテマン1:55:34R.パトレーゼ01:26.058
19813.312kmN.ピケ01:25.710139.11G.ヴィルヌーヴ1:54:23A.ジョーンズ01:27.470
19823.312kmR.アルヌー01:23.281143.17R.パトレーゼ1:54:11R.パトレーゼ01:26.354
19833.312kmA.プロスト01:24.840140.54K.ロズベルグ1:56:38N.ピケ01:27.283
19843.312kmA.プロスト01:22.661144.24A.プロスト1:01:08A.セナ01:54.334
19853.312kmA.セナ01:20.450148.21A.プロスト1:51:58M.アルボレート01:22.637
19863.328kmA.プロスト01:22.627145.00A.プロスト1:55:41A.プロスト01:26.607
19873.328kmN.マンセル01:23.039144.28A.セナ1:57:54A.セナ01:27.685
19883.328kmA.セナ01:23.998142.63A.プロスト1:57:17A.セナ01:26.321
19893.328kmA.セナ01:22.308145.56A.セナ1:53:33A.プロスト01:25.501
19903.328kmA.セナ01:21.314147.34A.セナ1:52:47A.セナ01:24.468
19913.328kmA.セナ01:20.344149.12A.セナ1:53:02A.プロスト01:24.038
19923.328kmN.マンセル01:19.495150.71A.セナ1:50:59N.マンセル01:21.598
19933.328kmA.プロスト01:20.557148.72A.セナ1:52:11A.プロスト01:23.604
19943.328kmM.シューマッハ01:18.560152.51M.シューマッハ1:49:55M.シューマッハ01:21.076
19953.328kmD.ヒル01:21.952146.19M.シューマッハ1:53:11J.アレジ01:24.621
19963.328kmM.シューマッハ01:20.356149.10O.パニス2:00:46J.アレジ01:25.205
19973.366kmH-H.フレンツェン01:18.216154.92M.シューマッハ2:00:06M.シューマッハ01:53.315
19983.367kmM.ハッキネン01:19.798151.90M.ハッキネン1:51:24M.ハッキネン01:22.958
19993.367kmM.ハッキネン01:20.547150.49M.シューマッハ1:49:32M.ハッキネン01:22.259
20003.370kmM.シューマッハ01:19.475152.65D.クルサード1:49:28M.ハッキネン01:21.571
20013.370kmD.クルサード01:17.430156.68M.シューマッハ1:47:23D.クルサード01:19.424
20023.370kmJ-P.モントーヤ01:16.676158.22D.クルサード1:45:39R.バリチェロ01:18.023
20033.340kmR.シューマッハ01:15.259159.77J-P.モントーヤ1:42:19K.ライコネン01:14.545
20043.340kmJ.トゥルーリ01:13.985162.52J.トゥルーリ1:45:47M.シューマッハ01:14.439
20053.340kmK.ライコネン01:13.644163.27K.ライコネン1:45:16M.シューマッハ01:15.842
20063.340kmF.アロンソ01:13.962162.57F.アロンソ1:43:43M.シューマッハ01:15.143
20073.340kmF.アロンソ01:15.726158.78F.アロンソ1:40:29F.アロンソ01:15.284

モンテカルロのPPタイムおよび平均時速の変遷
■ 3.180km時代
 F1初年度である1950年に、モンテカルロでグランプリが行なわれました。見栄えの関係から、グラフに結果を現わしていません。
■ 3.145km時代(ベージュ)
 1955〜1972年のあいだ、同じレイアウトでF1が開催されました。その間の「ミッドシップ革命」「排気量1.5リッター時代」「同3リッター時代」と、PPタイムに影響を及ぼしそうな、技術やルールの変化がありました。
 '60年代は凄まじい勢いでタイムが縮められています。そしてこの期間、不思議なことに、FLのタイムが予選を上回る事態が何度もありました。'60年、'61年、'64年、'65年、'66年、'68年、'70年、'71年です。'61年と'70年は、決勝でのR.ギンサーとS.モス、J.リントの激走が有名です。その他は原因不明です。
■ 3.278km時代(黄色)
 1973年、プールサイドにシケインが設けられ、スタート位置も大きく変わりました。その影響からかタイムが落ちています。
■ 3.312km時代(黄緑)
 1976年、更なる改修があり、またタイムが落ちました。ウイングカーの時代になると、また凄まじい勢いでタイムが縮まりました。'83年のフラットボトム規定のときは、モンツァと同じくタイムが落ちています。
■ 3.328km時代(水色)
 ターボエンジン時代の真っ只中である1986年にコース改修があり、その影響からかタイムが落ち続けました。なぜ落ち続けたかは原因不明です。
 完全NA化になった1989年から、短縮が始まりました。'95年にタイムが落ちているのは、ハイテクの禁止によるものと思われます。
■ 3.366〜3.370km時代(赤色、ピンク)
 1997年に大きな改修がありました。距離は38m伸びたものの、ラスカスの侵入が容易になりました。その影響からかタイムがかなり縮められています。
 1998年、1999年と落ちているのは、グルーブド(溝つき)・タイヤの影響と思われます。
■ 3.340km時代(ピンク)
 2003年の改修で、ラスカスの侵入角度が90度から45度へ変わり、いっそう攻略が容易になりました。以後、タイムが目覚ましい勢いで縮められています。2006年の予選第2ラウンド、K.ライコネンの 1:13.532 が現在のコースレコードとなっています。
 2007年は雨の影響で前年よりタイムが落ちています。

 まとめ
 '60年代、特に排気量3リッター時代、すなわちDFVエンジンの使用が固定的になり、ウイングや楔形サイドラジエターが登場した辺りが、両サーキットとも驚くべき勢いで速くなっています。
 今現在のF1が最速ですが、強烈な新機軸が打ち出されたのでもなく、マシンの限界の限界を引き出している感じがします。2006年より、排気量が2.4リッターに引き下げられました。他にも様々なスピードを抑えるルールが検討されています。今後、F1はどこまで速くなっていくのでしょうか???




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