歴代大ドライバーの比較

F1今昔物語 → アラカルト → 当ページ(2007年12月19日UP)

 前置き

 F1ファンならば、どなたでも一度は疑問に思ってみて、そして、探求を断念したことがあるでしょう、"F1のこの長い歴史のなかで、最高のドライバーっていったい誰なんだろう!?"と。今回は、歴代の大ドライバーを任意に選んで、成績を比較してみました。こんなことを考えるのは、馬鹿げていることかもしれませんけど、参考の一つとしてご覧ください。
 この比較には、こんな特徴があります。
1、左から右へと参戦年数が一律に進むこと
2、勝利・PP・FLの項目があり、それぞれ「シーズン中の割合(勝率・PP率・FL率)」が示してあること
 1によって、各ドライバーの1年目、2年目…10何年目の成績がわかります。早熟の人、晩年まで大活躍の人などがわかります。2に関しては、F1は年間開催数にばらつきがあり、勝数・PP数などでは不公平に見えるので、割合にしました。
    〜見方〜
  • 年度の赤字はチャンピオンのことです。スポット参戦や、ケガで多く参戦できなかった年も、同じ一年として扱っています。
  • 勝率・PP率・FL率で太字になっているのは、シーズン最多勝・同最多PP・同最多FLだったことを示しています。
  • 割合のセルにカーソルを合わせると、「PP数/開催数」というような形で、内訳がポップアップ表示されます。
  • ただし、このポップアップ表示では、1950〜1960年のインディ500の結果を除いています。その方が、このページの目的に適っているためです。
  • 最も左の数値は、通算成績における割合です。

 比較表

参戦12345678910111213141516



















M.


l


年度1991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006
開催16161616171617161617171716181918
勝利36.7%0.0%6.3%6.3%50.0%52.9%18.8%29.4%37.5%12.5%52.9%52.9%64.7%37.5%72.2%5.3%38.9%
PP27.4%0.0%0.0%0.0%37.5%23.5%18.8%17.6%18.8%18.8%52.9%64.7%41.2%31.3%44.4%5.3%22.2%
FL30.6%0.0%0.0%31.3%50.0%47.1%12.5%17.6%37.5%31.3%11.8%17.6%41.2%31.3%55.6%15.8%38.9%



















A.

年度19841985198619871988198919901991199219931994
開催1616161616161616161616
勝利25.5%0.0%12.5%12.5%12.5%50.0%37.5%37.5%43.8%18.8%31.3%0.0%
PP40.4%0.0%43.8%50.0%6.3%81.3%81.3%62.5%50.0%6.3%6.3%18.8%
FL11.8%6.3%18.8%0.0%18.8%18.8%18.8%12.5%12.5%6.3%6.3%0.0%



















A.



年度1980198119821983198419851986198719881989199019911993
開催14151615161616161616161616
勝利25.6%0.0%20.0%12.5%26.7%43.8%31.3%25.0%18.8%43.8%25.0%31.3%0.0%43.8%
PP16.6%0.0%13.3%37.5%20.0%18.8%12.5%6.3%0.0%12.5%12.5%0.0%0.0%81.3%
FL20.6%0.0%6.7%25.0%20.0%18.8%31.3%12.5%12.5%43.8%31.3%12.5%6.3%37.5%



















N.



年度198019811982198319841985198619871988198919901991199219941995
開催141516151616161616161616161617
勝利16.6%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%12.5%31.3%37.5%0.0%12.5%6.3%31.3%56.3%6.3%0.0%
PP17.1%0.0%0.0%0.0%0.0%6.3%6.3%6.3%50.0%0.0%0.0%18.8%12.5%87.5%6.3%0.0%
FL16.0%0.0%0.0%0.0%6.7%0.0%6.3%25.0%18.8%6.3%18.8%18.8%37.5%50.0%0.0%0.0%



















参戦12345678910111213141516



















N.

年度19781979198019811982198319841985198619871988198919901991
開催1615141516151616161616161616
勝利11.3%0.0%0.0%21.4%20.0%6.3%20.0%12.5%6.3%25.0%18.8%0.0%0.0%12.5%6.3%
PP11.8%0.0%0.0%14.3%26.7%6.3%6.7%56.3%6.3%12.5%25.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
FL11.3%0.0%6.7%7.1%6.7%12.5%26.7%18.8%0.0%43.8%25.0%0.0%0.0%0.0%0.0%



















N.


年度197219731974197519761977197819791982198319841985
開催121515141617161516151616
勝利14.6%0.0%0.0%13.3%35.7%31.3%17.6%12.5%0.0%12.5%0.0%31.3%6.3%
PP14.0%0.0%0.0%60.0%64.3%18.8%11.8%6.3%0.0%0.0%0.0%0.0%0.0%
FL14.0%0.0%0.0%20.0%14.3%25.0%17.6%25.0%0.0%6.3%6.7%31.3%6.3%



















J.




l
年度196519661967196819691970197119721973
開催10911121113111215
勝利27.3%10.0%11.1%0.0%25.0%54.5%7.7%54.5%33.3%33.3%
PP17.2%0.0%0.0%0.0%0.0%18.2%30.8%54.5%16.7%20.0%
FL15.2%0.0%0.0%0.0%16.7%45.5%0.0%27.3%33.3%6.7%



















J.



年度196019611962196319641965196619671968
開催108910101091112
勝利34.7%0.0%0.0%33.3%70.0%30.0%60.0%11.1%36.4%8.3%
PP45.8%0.0%0.0%66.7%70.0%50.0%60.0%22.2%54.5%8.3%
FL38.9%0.0%12.5%55.6%60.0%40.0%60.0%0.0%45.5%8.3%



















参戦12345678910111213141516



















S.

年度19511952195319541955195619571958195919601961
開催8899788119108
勝利24.2%0.0%0.0%0.0%0.0%16.7%28.6%42.9%40.0%25.0%22.2%25.0%
PP24.2%0.0%0.0%0.0%0.0%16.7%14.3%28.6%30.0%50.0%44.4%12.5%
FL28.8%0.0%0.0%0.0%12.5%33.3%42.9%42.9%30.0%50.0%22.2%12.5%



















A.



年度195019511952195319541955
開催788997
勝利40.6%0.0%28.6%85.7%62.5%0.0%0.0%
PP43.8%0.0%28.6%71.4%75.0%12.5%0.0%
FL40.6%0.0%0.0%85.7%50.0%25.0%0.0%



















J-
M.




年度19501951195319541955195619571958
開催789978811
勝利47.1%50.0%42.9%12.5%75.0%66.7%42.9%57.1%0.0%
PP56.9%66.7%57.1%25.0%62.5%50.0%85.7%57.1%10.0%
FL45.1%50.0%71.4%25.0%37.5%50.0%57.1%28.6%10.0%

 各ドライバーの寸評

■ ミハエル・シューマッハ Michael Schumacher
 この人の偉大な点は、たくさんあります。細かい点まで全部挙げようとしたら、このページはマッチ棒みたいな超長尺ページになってしまうことでしょう。とにかく、参戦が長いことで、何でもかんでも最多・最長になるのが特徴です。
 勝利:フル参戦1年目に勝利。以降、最多の15年連続勝利年。最多の8度最多勝。5連続最多勝。最終年にも最多勝(F.アロンソと同点で)。
 PP:最長の13年連続PPを記録。PP王が最多の6度。5年連続PP王。キャリア後半に速さで傑出するように。
 FL:最長の14年連続FLを記録。FL王が最多の6度。最終年にFL王。
 「勝ち星は群を抜いているが、勝率ではファンジオらに敵わない」などとよく言われますが、これだけ長く走ってこの数字ですので、そんな評価は酷だと思えます。

■ アイルトン・セナ Ayrton Sennna
 '80年代後半〜'90年代前半に「F1の四天王」と呼ばれた四人の一人です。「傑物が他に3人いた」という事実を差し引いて考えなければなりません(他の3名も同様に)。
 勝利:9年連続勝利。4年連続最多勝。
 PP:通算の4割超え。10年連続PPを記録。PP王が最多の6度。4年連続PP王。'88年と'89年の8割超えという傑出ぶりが凄まじい。
 FL:FL王なし。今回とり上げた中で唯一の非・三冠保持者。しかし初年度にFLを樹立(雨のモナコGP)したのは稀有。
 他にも、「記憶に残るレースが多々あった」という評価をよく目にします。カリスマ性がありました。

■ アラン・プロスト Alan Prost
 四天王の一人。最終年にチャンピオン。'82年に数字は低いけれども三冠王になりました。しかしタイトルは逃しました。'86年、逆に三冠部門で無冠のチャンピオンになりました。'93年の最終年、今度は三冠王で文句なしのチャンピオンになりました。
 勝利:参戦2年目で早くも最多勝に。以降、数値が低く同点も多々あったが、5年連続最多勝。
 PP:最晩年に8割超え。
 '93年のブッチギリっぷりは、F1の長い歴史の中で10本指には入ります。

■ ナイジェル・マンセル Nigel Mansell
 四天王の一人。'86年、最終戦でまさかのタイヤバーストでチャンピオンを逃しました。'87年もチャンピオン候補になりましたが、ここぞというときに事故で頓挫しました。'91年も同様で、「無冠の帝王」と呼ばれました。しかし'92年、勝てるマシンを手に入れると、何者も寄せ付けない強さを見せました。この年のブッチギリ度は、全史の中で5本指には入ると思われます。
 PP:'92年の87.5%は、F1の長い歴史の中で最高の数字。

■ ネルソン・ピケ Nelson Piquet
 四天王の一人。通算の数字が低いけれども、3度のチャンピオン。'81年、'83年は、ポイントで先行する者をシーズン終盤に追いつめ、最終戦で際どく逆転するというものでした。

■ ニキ・ラウダ Niki Lauda
 '77年に無冠のチャンピオンになりました。'79年にいったん引退し、'82年に復帰。ターボ全盛の'84年に、PP数0でチャンピオンになりました。
 PP:'74年、'75年は凄まじく速く、'76年の事故以後、PP3回に減り、復帰後は0。予選落ちしたこともあり。
 FL:PP0でもFLは多し。レース巧者。最終年にFL王。

■ ジャッキー・スチュワート Jackie Stewart
 このページで言う、F1がグングンと速くなる時代の傑物でした。
 勝利:参戦初年度に勝利。
 PP:初PPが意外と遅い。

■ ジム・クラーク Jim Clark
 '60年代以前の傑物となると、通算の数字がグッと高くなります。夭折の影響もあるかもしれません。三冠王4度、その内容も素晴らしいです。特に'63年は、全史で3本指には入るブッチギリ度かと思われます。こういうのは、割合で表わさないと伝わりません。しかし、三冠王でタイトル逃しという例も2回あります。

■ スターリング・モス Stirling Moss
 チャンピオンでないわけですが、'55年以降、三冠部門でずっと1割以上を維持しました。これは稀有です。開催数が10より小さいので、1回でも記録すれば1割を超えるわけですが、この1回できるかできないかが大事です。これは、キャリア後半、プライベーターを渡り歩きながら、ワークスを相手に戦っての結果でした。

■ アルベルト・アスカリ Alberto Ascari
 夭折しましたけども、三冠王のときの内容が素晴らしすぎます。フェラーリが秀抜だったわけですが、チーム内の他の有力者を寄せつけませんでした。特に'52年、出走したF2レースでの、彼のリーダーラップ率は、90%に達します。

■ ファン・マヌエル・ファンジオ Juan Manuel Fangio
 脅威の三冠王5回。こればかりは長く走ったミハエルでも敵いません。内容も素晴らしいです。'50年代は、レース距離が300〜500kmで、競技時間は3時間を超えるのが当たり前でした。この頃の1勝は現在の倍の価値がある、と言えるかもしれません。マシンの知識が豊富で、走っても速い。冷静沈着なレース運びでトラブルを回避、リタイヤしない。何をとっても当代一でした。'54年ドイツの最長時間レース、'55年アルゼンチンの酷暑のレースといった、体力的に厳しいレースも、みな彼のものでした。




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