太陽系の簡単まとめ

はとみね勉強中 → その他のページ → 当ページ(最終更新:2016年8月25日)

 ■ 前置き

・子供のころ養った知識よりだいぶ研究が進んで、いろいろ常識が変わってきているようなので、簡潔にまとめた。
・特に、準惑星・太陽系小天体・太陽系外縁天体・小惑星・冥王星型天体といった語句がごちゃ混ぜになって混乱したので、カテゴリーをしっかり分けた。
・後半の文章は、ほぼ全てウィキペディアからの引用です。同一のページ、または複数のページからの文章のパッチワークになります。


太陽(1,392,000 km) Sun, Sol
惑星
 衛星
準惑星 太陽系小天体
 主な小惑星
英語名 公転周期 近日点 遠日点
水星(4,879.4 km) Mercury 約88日
金星(12,103.6 km) Venus 224.7日
地球(12,756.3 km) Earth 1年
 月(3,474.3 km) Moon
地球近傍小惑星 ガニュメート(31.66 km) 1036 Ganymed 4.35年
エロス(34.4×11.2×11.2 km) 433 Eros 1.76年
火星(6,794.4 km) Mars 687日
 フォボス(22.2 km) Mars I, Phobos
 ダイモス(15〜11 km) Deimos
小惑星帯 ケレス(952.4km) Ceres 4.61年
パラス(582×556×500 km) 2 Pallas 4.62年
ベスタ(468-530 km) 4 Vesta 3.63年
ヒギエア(407.12 km) 10 Hygiea 5.56年
木星(142,984 km) Jupiter 11.9年
 イオ(3,643.2 km) Io
 エウロパ(3,202.7 km) Europa
 ガニメデ(5,262.4 km) Ganymede
 カリスト(4,820.6 km) Callisto
トロヤ群、ギリシア群 ヘクトル(363 × 207 km) 624 Hektor
ケンタウルス族 キロン(166 km) 2060 Chiron, 95P/Chiron 50.8年 8.5AU 18.9AU
カリクロー(約258.6 km) 10199 Chariklo 62.9年 13.1AU 18.5AU
土星(120,536 km) Saturn 29.5年
 タイタン(約5,150 km) Saturn VI Titan
 レア(約1,530 km) Saturn V Rhea
天王星(51,118 km) Uranus 84.3年 18.3AU 20.1AU
 ミランダ(約471.6 km) Miranda
 アリエル(約1157.8 km) Ariel
 ウンブリエル(1169.4 km) Umbriel
 チタニア(1577.8 km) Titania
 オベロン(1522.8 km) Oberon
海王星(49,528 km) Neptune 約165年 29.8AU 30.3AU
 トリトン(2706.8 km) Triton
太陽系外縁天体
 冥王星型天体 冥王星(2,370 km) 134340 Pluto 247.7年 29.6AU 49.3AU
 =準惑星の別名  カロン(1,208km) Charon
エリス(2,326? km) 136199 Eris 558.4年 37.9AU 97.7AU
マケマケ(約1,502 km) 136472 Makemake 305.4年 37.9AU 52.8AU
ハウメア(最大1,960kmの楕円形) 136108 Haumea 282.3年 34.5AU 51.2AU
 準惑星候補 オルクス(820〜1,020 km) 90482 Orcus 245.2年 30.3AU 48.1AU
クワオアー(約890 km) 50000 Quaoar 286年 41.7AU 45.1AU
名無し(約1,535 km) 2007 OR10 547.8年 33.3AU 100.6AU
セドナ(約995 km) 90377 Sedna 12,691年 76AU 975AU

 ■ 天体のカテゴリー

恒星=太陽
惑星
1、太陽のまわりを公転していること。
2、自己の重力によって球形になるほど十分な質量を持っていること。より明確にいうと、自己の重力により重力平衡形状になっていること。
3、軌道上の他の天体を排除していること。

準惑星
1、太陽のまわりを公転していること。
2、自己の重力によって球形になるほど十分な質量を持っていること。より明確にいうと、自己の重力により重力平衡形状になっていること。
3、軌道上の他の天体を排除していないこと。
4、衛星ではないこと。

太陽系小天体
太陽のまわりを公転している天体で、上記以外のほとんど全ての天体。小惑星の大部分、外縁天体の大部分、彗星その他。

 2006年以降の現在では、「小惑星」という名称は、火星と木星のあいだのメインベルトと呼ばれる位置にある、無数の天体のことを指す、、、と言える。その中でも準惑星である巨大なケレスを除いた、小さなものである。「惑星」というよりは、巨大な岩のイメージ。

 ■ 個々の天体ピックアップ

地球近傍小惑星
 金星と火星のあいだに軌道を持つ小惑星の群れ。アポロ群、アモール群、アテン群など。最大で直径5kmほどの岩塊である。「潜在的に危険な小惑星」を含む。

火星のフォボス(22.2 km)
 最も主星に近い衛星で、火星表面から6,000km以内の起動を回っている。
 火星の自転より速く公転しているので、フォボスは火星の潮汐力のために徐々に火星に引きつけられ(1.8m/世紀)ている。やがてロッシュ限界に達し破壊される運命にあるとされ、3,000万年から5,000万年後に火星の表面に激突するか、破壊され火星の環となると考えられている。
 ダイモスと共に、火星の重力に捕えられた小惑星だと考えられている。

小惑星帯
 全質量は月の1/35で、その内の3分の1はケレス。33%~35%の小惑星はいずれかの小惑星族に含まれる。

ベスタ(468-530 km)
 南半球にレアシルヴィアという太陽系で最も大きなクレーターの一つを持つ。…というより、南極側の90%の地面をレアシルヴィアが占める。
 その中央丘は、高さ22kmあり、火星のオリンポス山と並んで、太陽系で最も高い山の一つに数えられる。

木星のエウロパ(3,202.7 km)
 太陽系において、もっとも地球外生命の存在が期待されているとか。

ヘクトル(363 × 207 km)
 木星の公転軌道と同じ軌道の小惑星帯が2つあり、それぞれトロヤ群とギリシア群という。その内の最大のもの。球体ではなく、いびつな形をしている。

ケンタウルス族
 木星と海王星の間の軌道を公転する、氷で覆われた小惑星の分類名である。カリクロー(約258.6 km)は小惑星として環を持つらしい。

天王星(51,118 km)
 自転軸が98度、つまり黄道面に対してほぼ横倒しになっている。その状態で公転周期が84年なので、昼と夜が42年間交代ということになる。
 また、奇妙なことに、太陽を向いている極周囲よりも、赤道周囲の方が温度が高いと言われる。
 それから磁場があることが分かっているが、それは自転軸から60度ずれている。地軸と磁極がずれているため、S極とN極が自転に応じて、メチャクチャに振り回されていると考えられる。


 ■ エッジワース・カイパーベルトとオールトの雲

 エッジワース・カイパーベルトは短周期彗星の起源、オールトの雲は長周期および非周期彗星の起源として考え出された。1950年台以前のことである。その後、1980年以降に実際に天体が発見されるようになり、冥王星も含まれるようになった。2006年時点で、1,000を超える天体が発見されている。
 エッジワース・カイパーベルトは円盤状であると具体的に考えられ、オールトの雲は球体であるという仮説が立てられている。
古典的エッジワース・カイパーベルト(狭義のエッジワース・カイパーベルト)
 軌道長半径が海王星(約30AU)より大きく、公転周期が海王星の約2倍となる大きさ(約48 - 50AU)以下の範囲。海王星の重力の影響を強く受ける。この部分だけをエッジワース・カイパーベルトと呼ぶことがある。冥王星やカロン、クワオアーなどが含まれる。
散乱円盤天体
 軌道長半径が約48 - 400 AU、近日点距離が約40 AU以下。近日点では海王星の重力の影響を受ける。エッジワース・カイパーベルトには含めないことがある。136199 Erisなど。
Extended-Scattered Disk
 軌道長半径が約48 - 500 AU、近日点距離が約40 - 80 AU。海王星の重力の影響をほとんど受けない。通常、エッジワース・カイパーベルトには含めない。
 定義上、黄道面からの距離は問題にしないが、大半の天体の軌道傾斜角は10°以下で、30°を超えるものはほとんどない。エッジワース・カイパーベルトは、(中央に穴の空いた)平らなディスク型だといえる。
 (2060) キロンなどケンタウルス族や、短周期彗星、海王星の衛星トリトン、土星の衛星フェーベなどは、その軌道および成分などから、元はEKBOだったと考えられている。


 ■ 彗星

 太陽から遠方にある間は小惑星と区別がつかない。太陽に近づいて放出された塵は流星の元となる。
 核は「汚れた雪玉」。純粋な氷ではなく、岩石などの塵を含んでいる。直径は通常1~10km、稀に50kmに達するものもある。
 曲線状の塵の尾と、直線状のイオンの尾に分かれる。
 
 2006年8月現在、約2100個の長周期彗星が発見されている。これは、発見された彗星の80 %以上であり、彗星の大半は長周期彗星であるといえる。(残りは、短周期彗星と、軌道が求まらなかった彗星)
 短周期彗星は、エッジワース・カイパーベルトからやってくると推測されている。それに対して、長周期彗星は、オールトの雲からやってくると推測されている。
 一般に、短周期彗星は発見前を含めれば何十回・何百回となく回帰しているため、大半の揮発成分が失われてしまい、大彗星は少ない。明るく輝く大彗星は、ほとんどが長周期彗星である。
クロイツ群
 太陽の極めて近くを通る彗星をサングレーザーと呼ぶ。このクロイツ群はサングレーザーの一つで、なんと地球と月の半分の距離ほどまで太陽に近づく。幾つかは昼間でも見えるような大彗星となる。1843年、1882年、1965年の池谷・関彗星など。
 クロイツ群に属する彗星は、元は1つの巨大な彗星が砕かれたものであると言われている。


 ■ 流星群

 彗星の塵が軌道上にまばらに散らばったものを地球が通過すること。元となる彗星を母天体と呼ぶ。
ダストトレイル
 母天体の周囲には、放出された一群の流星物質が細い帯状に伸びており、これをダストトレイルと呼ぶ。ダストトレイルはそれ自身の軌道上を母天体とほぼ同じ周期で巡る。ダストトレイルの軌道と地球軌道が交差しており、かつダストトレイルと地球が同時期にこの交差地点にさしかかったとき、ダストトレイルと地球との衝突によって流星群が生じる。
 ダストトレイルは周回を重ねるにつれて長く伸び、軌道上に拡散していく。周期群はダストトレイルが軌道上の一部に集中しているもの、定常群は軌道上にほぼ一様に拡散したものである。したがって、周期群は比較的若い流星群であり、定常群は古い流星群であると言うことができる。
 
しぶんぎ座流星群(Quadrantids)
 1/1〜1/7頃、1月4日がピーク。年間三大流星群の1つ。極大時刻が数時間程度と短い。昼間に当たったら、よく見えないことになる。極大時刻には1時間で20〜60程度の流星が見られる。母天体は幾つかの候補があり、定まっていない。
 輻射点(放射点)が北天にある為、この流星群の観測は事実上北半球に限られる。またヨーロッパの冬の晴天率が低いのに対し、日本の太平洋側はこの頃天候に恵まれ、日本での観測に適した流星群である。
 
みずがめ座流星群(Eta Aquarids)
 4月後半〜5月初め。母天体はハレー彗星と考えられている。1時間あたり20個ほどの流星が見られる。北半球では輻射点の地平高度が上がらないために出現数はそれほど多くないが、輻射点高度が高くなる南半球では非常に活発な流星群となっている。
 
ペルセウス座流星群(Perseids)
 お盆の時期をピークとして、7/20〜8/20頃に見られる。年間三大流星群の一つ。母天体は周期133年のスイフト・タットル彗星。
 極大頃には1時間あたり30個から60個の流星が出現する。ペルセウス座流星群の流星は、流れる速度が速く、途中で急激に増光することがある。また、明るい流星や火球が多く、流星痕が残ることも多い。これは、対地速度が59km/sと流星群の中では比較的速いことによる。 比較的明るい為、薄曇りでも雲間から観測する事もできる。
 1991年と1992年に母彗星の回帰があり、平年の2倍以上という大出現をした。
 
オリオン座流星群(Orionids)
 毎年10月19日から23日の間に東の空で見られる。オリオン座の中でふたご座との境界付近に放射点がある。母天体は、5月のみずがめ座流星群と同じハレー彗星で約3000年前のハレー彗星の塵による。比較的速度が速いため明るい流星が多くみられる。
 これまでは中規模流星群であったが、2006年に突然活動が活発化し1時間に50個以上も観察できるようになった。これは2010年まで続くと見られており、次に活動が活発化するのは70年後といわれている。
 
しし座流星群(Leonids)
 毎年11月14日頃から11月24日頃まで出現が見られ、11月17日頃に極大を迎える。母天体はテンペル・タットル彗星である。普通の年には極大時に1時間あたり数個の流星が観測できるが、過去に何度も大出現が見られた。流星天文学の発展にも重要な役割を果たしてきた流星群である。
 母天体であるテンペル・タットル彗星は軌道傾斜角が162度もあるため、しし座流星群の元になる塵は地球と正面衝突するのに近い形で、地球の大気に突入してくる。その結果、地球の公転速度が加わり、流星の対地速度は秒速71kmにも達する。これは全ての流星群の中で最高の速度である。しし座流星群の流星もそれに伴い高速で流れる。
 しし座流星群の母天体であるテンペル・タットル彗星は33年周期で太陽の近くに回帰してくる。その前後数年は、しし座流星群の出現数も大きく増大する。これは、テンペル・タットル彗星の軌道上のうち、彗星本体に比較的近いところに塵が特に多く存在しているからである。
 彗星が回帰するころには、最大で1時間に数千個から数十万個もの猛烈な「流星雨」や「流星嵐」と呼ばれるほどの出現を見せることがある。1時間に数千個もの大出現を過去に何度も繰り返し見せた流星群はしし座流星群だけであり、過去の大出現の上位もしし座流星群が多くを占めている。
 ダストトレイルの位置を放出された年ごとに計算することで、イギリスのデイヴィッド・アッシャーらは、流星群が大出現する時刻と規模を正確に予測することに初めて成功した。アッシャーはダストトレイルが受ける惑星の重力の影響や、塵が受ける光圧(太陽光から受ける圧力)も考慮して1998年以降のしし座流星群の出現について予測を行い、極めて高い精度で極大時刻を的中させた。特に、東アジアで2001年に見られた大出現では、最大出現時刻の誤差はわずか5分程度にとどまり、それまで24時間以上外れることも珍しくなかった流星群の極大時刻予報に大きな変革をもたらした。
 
ふたご座流星群(Geminids)
 12月5日頃から12月20日頃にかけて出現し、12月14日前後に極大を迎える。年間三大流星群の一つ。
 母天体は小惑星ファエトンと考えられている。すなわちファエトンはかつては彗星であったが、ガスやチリなどの揮発成分を放出しつくしてしまった天体で、以前に放出したチリが地球の軌道と交差する軌道を巡っておりふたご座流星群となっているということである。
 ファエトンが太陽の周囲を公転する周期はわずか1.43年であり、現在知られている中で最も周期が短いエンケ彗星の半分以下である。また、ファエトンはかなり歪んだ楕円軌道を持ち、太陽に最も近づいたときは水星の軌道よりも遥かに内側に入り込む。このため、頻繁に強い太陽光を受け、揮発成分が無くなってしまったと思われる。
 ふたご座流星群は、毎年1時間あたり20個から30個の出現を見せる。条件が良いときは、1時間に50個から60個出現することもある。他の流星群のように当たり外れが大きくなく、堅実な活動を見せる。
 流星群の活動度が高いこと、放射点が日没頃からほぼ一晩中地平線の上に出ていること、夜が1年のうちで最も長い時期にあたること、大気の透明度も良い時期であることから、一晩のうちに見られる流星の数が最も多いことで知られる。極大はあまり鋭くなく、出現は12月10日頃から顕著になり、極大の前後1日から2日程度は極大と同程度の流星が見られる。一方で、それが過ぎると急激に減少するのも特徴だ。


前のページに戻る

inserted by FC2 system